【ニュースリリース】アメ横入口に「森」をつくる 耐火の純木造ビルが木材活用コンクール優秀賞を受賞

26.06.18

工事負担軽減でコストメリットを実現

 株式会社シェルター(本社:山形県山形市、代表取締役社長:木村仁大)が施工した東京都台東区上野の純木造3階建てビル「サンケン御徒町BLD」が、日本木材青壮年団体連合会主催「第29回 木材活用コンクール」において優秀賞((一社)JBN・全国工務店協会 会長賞)を受賞し、2026年6月13日に表彰式が執り行われました。
 「サンケン御徒町BLD」は商業ビルとして運営され、耐震・耐久性、耐火性を兼ね備えた木造建築として、都市部の木材活用普及におけるマイルストーンとなります。
 「都市(まち)に森をつくる」をビジョンに掲げる当社は、建築物の木造化及び木質化は山に植林するように、都市に「森」をつくることであると考えます。当物件により、上野アメ横商店街を有し活気溢れる上野・御徒町エリアに「森」が生まれました。当社はこれからも、人と環境に優しい「木造都市」の実現に向けた事業を展開してまいります。


左:(左から)佐藤千弘建築設計事務所 佐藤 千弘氏、株式会社シェルター 武田 章
右:御徒町駅北口からの外観


■「サンケン御徒町BLD」について
 2025年6月、老朽化した築50年以上の既存建物が、鉄骨造2階建てから純木造3階建てのビルへと生まれ変わりました。
 南側・東側の一面ガラス張りによって、自然素材ならではの温もりや手触りを感じられる木の空間と御徒町駅前・上野アメ横商店街の独自固有な賑わいが混ざり合うデザインが特徴です。
 柱、梁などの主要構造部すべてが木造で、建物が炭素貯蔵をする脱炭素実現への貢献も特筆すべき点です。構造には当社の接合金物工法「KES構法」と木質耐火部材「COOL WOOD」(1時間耐火仕様 柱・梁)を採用し、耐震・耐久性と耐火性を確保しながら木質を現しています。
 純木造による躯体の軽量化で直接基礎が可能となり、基礎工事の簡略化を実現しました。壁下地や床も含めた純木造は、室内から外壁下地までの広範囲の工事を大工工種に一元化でき多岐にわたる専門事業者を要さないため、工程管理の省力化や人手不足の懸念払しょくなど労務的メリットにもつながりました。本建物の計画によって当社は、環境配慮や意匠的観点のほか施工、コスト面でも純木造の利点を示しました。


▲(左から)1階内観(内装工事前)、3階内観(内装工事前)、夕景の外観、COOL WOODの柱

■本計画の背景
 建設地である台東区では、沿道の建物の耐震化・不燃化による「倒れないまちづくり」および木造住宅密集地の不燃化や建て替えの促進による「燃えないまちづくり」を目指しており※1、最新の令和3年の統計では構造別延床面積は耐火構造が全体の83.4%に達しています。その反面、同区の木構造(防火木造、木造)は減少傾向※2にあります。
 産業振興・環境配慮・心身の健康などのメリットから、建築物への木材利用を推進する法整備※3が進む中、本計画が台東区エリア、ひいては防火地域における木造中層建築物のモデルケースとなることを標榜しています。


■木造ビルの普及でSDGs達成、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献
 日本の建築物の階数の分布は1~5階までが99%以上であり※4、当社が開発・実用化した木造構築・耐火技術を用いることで国内の建築物の大多数を木造化できます。
 本計画は35㎥の木材を利用し、建築物全体で27t-CO2の炭素を貯蔵します。これはスギ約54本分の二酸化炭素蓄積量に相当します※5。
 日本の森林資源を活用する木造ビルの普及は、SDGs達成、2050年カーボンニュートラルの実現にも貢献します。


■「奥村組 西川口寮」「丸岡城観光情報センター「マチヨリ」」の2件が共に受賞
 木材活用コンクールは、木材の新たな利用や普及、木材業界の発展に寄与することを目的に創設されたコンクールです。「第29回 木材活用コンクール」において、当社が携わらせていただいた事例では「サンケン御徒町BLD」のほか、「奥村組 西川口寮」(株式会社奥村組 、株式会社シェルター)が優秀賞((公財)日本住宅・木材技術センター理事長賞(A部門))、「丸岡城観光情報センター「マチヨリ」」(株式会社TIT、株式会社ヒャッカ、株式会社シェルター)が木材活用賞を受賞いたしました。

全受賞作品は下記「木材活用コンクール」公式サイトよりご覧ください。
https://mokusei.net/mkc/2026/04/01/mkc_29th/

「サンケン御徒町BLD」建物概要
建物名称:サンケン御徒町BLD
運営:三絹株式会社
総合監修:DESIGNWORKS LLC
設計・監理:佐藤千弘建築設計事務所
ビル管理:株式会社ビルバンク
施工:株式会社シェルター

敷地面積:47.92㎡
建築面積:36.07㎡
延床面積:106.28㎡
階数:地上3階
最高高さ:9.79m

所在地:東京都台東区上野4丁目1番1号
用途:物販
地域地区:商業地域
防火指定:防火地域
構造:木造(純木造)
耐火種別:1時間耐火構造
工期:2024年11月~2025年5月末

木材使用量:35㎥
建築物の炭素貯蔵量:27t-CO2
(スギ約54本分の二酸化炭素蓄積量に相当)※5
GHG排出量:104.6kg-CO2e/㎡年※6
樹種:国産材 杉、檜、唐松
外国産材 赤松
■接合金物工法「KES構法」採用
■木質耐火部材「COOL WOOD」採用

※1:「台東区都市計画マスタープラン」より
※2:「台東区都市づくりのための基礎資料」より
※3:令和3年「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:都市(まち)の木造化推進法)」施行
令和6年 国土交通省「木造建築物の耐久性に係る評価のためのガイドライン」公表(木造の法定耐用年数見直し)
※4:国土交通省「令和元年建築着工統計調査」をもとに算出
※5:林野庁「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の算定シート」算定
※6:一般財団法人 住宅・建築SDGs推進センター「J-CAT」により算定(標準算定法、評価期間60年)

本計画に採用されている木造技術について

■接合金物工法「KES(ケス)構法」

木造建築における日本初の接合金物工法で日本、アメリカ、カナダで特許を取得している。
オリジナルの金物を使用して柱や梁の接合部を緊結することで、木造建築の耐震・耐久性能を飛躍的に高めた。建方には特殊技術を必要とせず、施工性も高い。
[2010年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞 技術部門 受賞]

■木質耐火部材「COOL WOOD(クールウッド)」

燃え止まり層に石こうボードを用いた耐火部材。
1・1.5・2・2.5・3時間の国土交通大臣認定を取得し、(2、3時間は日本初)日本、カナダ、スイスで特許を取得している。
中心部の「荷重支持部」にはスギ以上の比重がある樹種が選択可能で、製材、集成材、LVL、CLTなど構成を選ばない。
1・2時間耐火仕様の柱において、EPD Hubにて認証を受けEPD(環境製品宣言)を取得。建物のCO₂排出量を可視化し、LCAの算定・評価に貢献している。

対象製品:COOL WOOD(1時間耐火仕様・柱)
登録番号:HUB-3377
GHG排出量:2,82E+02 kgCO2e

対象製品:COOL WOOD(2時間耐火仕様・柱)
登録番号:HUB-3440
GHG排出量:2,88E+02 kgCO2e

(一社)日本木造耐火建築協会を通じて技術をオープン化している。

[2020年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞 技術部門 受賞]

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